これからは事業性評価による融資をするように指導している。2019年12月には、金融検査マニュアルが廃止されて事業性評価融資に変わってきています。今でも勉強会ではその重要性についてよく聞きます。
では、今までの過去会計である決算書の重要性は薄れたのでしょうか。決してそんなことはありません。銀行が決算書を格付けに利用していたのは、企業の安定性や収益性を見るうえで非常に重要な経営指標がわかるからです。
事業性評価によって融資が行われるとしても、決算書という客観的事実からわかる数値は、今後も銀行の評価や判断に影響を与えることはいうまでもないでしょう。
また、未来とは結局のところ過去の延長線上にあるものです。実現性の高い経営計画とは、過去と遊離したものではなく、過去の結果を受けて、それをしっかりと改善していくような計画なのです。
ですから、銀行が事業性評価によって企業への融資を判断するようになったところで、決算書を改善することの重要性は変わっていないともいえるでしょう。
決算書は、貸借対照表と損益計算書で構成されています。「貸借対照表」は過去の蓄積であり、「損益計算書」は儲ける力を表しています。基本的に損益計算書の数字がよくならないと、会社は改善していきません。
決算書の数字をよくするには、利益を出さなければいけません。利益を出す方法は2つ。「粗利益の額を増やす」か「経費を下げる」かです。経費には変動費と固定費がありますが、固定費を知らないと粗利の額がわかりません。
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