NISAの拡充

NISAは個人の資産運用を後押しするために作られた税制の優遇措置で、購入した株式や投資信託などの売却益や配当金が一定の範囲内で非課税となります。

今回の改正では投資の対象となる商品、実施される期間や保有期間の拡充などに変更がありました。

・投資対象
投資対象の商品は現行制度より絞り、上場廃止が決まった整理銘柄や償還期間の短い投資信託も対象から外されています。

現行のNISAでは、「一般NISA」「つみたてNISA」の2種類あり、その併用はできません。今回の改正で2024年1月から上場株式などを購入できる「成長投資枠」と長期積立を目的に投資信託だけを購入対象とする「つみたて投資枠」とが設けられ、それぞれの併用が可能となりました。

・投資可能期間、非課税保有期間
現行制度の投資可能期間について「一般NISA」は2023年まで「つみたてNISA」は2042年まででしたが、今回の改正で「成長投資枠」「つみたて投資枠」は投資可能期間を定めない恒久的な制度となりました。

また非課税保有期間について「一般NISA」は5年間、「つみたてNISA」は20年間と定められています。改正後は「成長投資枠」「つみたて投資枠」ともに保有期間が無制限となりました。

・年間投資額の引き上げ、生涯非課税制度の創設
現行制度の年間投資額について「一般NISA」は年間120万円で最長5年間、「つみたてNISA」は年間40万円で最長20年間まで投資が可能でした。

改正後の「成長投資枠」は年間240万円まで、「つみたて投資枠」は年間120万円まで投資が可能となります。合計で1800万円の生涯投資枠を設け、成長投資枠は1200万円を上限とします。

長いスパンで考えた時、アクシデントの対応策も考えておきたいものですね。