高齢の経営者に突如としてくる落とし穴とは!?

経営者が在任中に認知症を発症してしまったら、特に中小企業ではリスクが大きく3つあると言われています。

1つ目、契約行為の問題。何らかの契約に経営者がハンコを押しても、その時点ですでに認知症を発症していて意思能力がなかったらと判断されると、契約は認められず無効になってしまう。逆に軽度の認知症になった経営者が、押すべきハンコを押さなくなることも考えられる。

2つ目、借入金の問題。中小企業への融資は、銀行と社長の信頼関係で成り立っていることがほとんど。社長が認知症になれば運転資金の融資が受けられない可能性も出てくる。中小企業では、既存の借入金も社長が連帯保証人になっいているので、場合によっては来月の資金繰りに困るかもしれません。

3つ目、事業承継の問題。社長が認知症になれば、議決権を行使できなくなる。社長が自社株の大半を持っているようなケースだと、総会で議決に必要な定数を満たせず、後継者へのバトンタッチが難しくなることあり得ます。

やはり、相続においても経営においても事前対策が大切です。

認知症を発症した後に家庭裁判を通して法定後見人をつける対策と、発症前に取れる対策では結果が大きく変わってきます。

認知症を発症前に取れる対策の代表的な手法としては「信託」が挙げられます。この件に関しては専門家にお願いするのがいいでしょう。

認知症対策を怠ってしまうと、それまでに講じた相続対策や事業承継プランが総崩れになる可能性がありますので、早めの行動が大きなトラブルを防ぐと思います。