決算分析の財務指標が役に立たない原因

・簿価と時価(実態)に違いがあれば、補正しなくては意味がない。税務上の決算書≒税務会計においては問題ないものですが、経営として自社の内実を知ろうというのならば、時価と大きな開きのある簿価から財務指標を算出しても、実態から離れてしまうのは当たり前です。実態バランスの考え方です。

・借入の仕方が、財務指標を狂わせる。「保証協会の長期」ばかりの借入を行い、短期借入の導入をしないでいると、一見流動比率をはじめとした財務指標はよくなるものの、毎月の分割返済の金額が増加することで資金繰りが悪化することが、多々あります。

・短期借入で、特に利払いのみの継続を前提にした資金調達が一定量、具体的には所要運転資金額程度にはあるべきなのに、そうなっていないことは「表面上の財務指標をよくしようとして、結果資金繰りを悪化させている」のです。当座貸越が最適です、優良企業のバロメーターです。よって、資金繰りの安全性を示す流動比率がよくても、資金繰りは苦しい、そんな会社が増えてきてます。手持ちの現金を見ればわかります。

・本当の事業収益はどれだけあるのか!?実質の利益に関するポイントですが、一過性の損益(特に損失)を特別利益に計上していなかったり、過去の仕入の処分損が原価の中で処理されていたりすると、税務上は問題なくても企業の内実を知るという意味では、実際の期間損益を知ることが難しくなります。決算処理は経営者が指導するべきです。